おなかすいた

しょくれぽぶろぐです。

ルービックキューブ基礎編

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2018の記事として書かせていただきました。

 

おひさしぶりです。

今回のテーマは3x3x3の基礎です。

単なる手順暗記からスピードキュービングへと移行する橋渡しとなるような技術や概念について書いていきます。基本的なCFOPができないと理解しづらい部分も多々あるかとは思いますがよろしくお願いいたします。

Introduction

本記事では考えて練習することの重要性を伝えるものになります。解説を始める前に2つ注意点をあげておきます。 

まず当たり前の話ですが基本手順と呼ばれているようなものはすべて覚えましょう。手順をあまり覚えずにある程度速くなりたいという人もいるかとは思いますが、そのような方は本記事の対象とする読者とは合致していないということを明記しておきます。まだ覚えていないけれどこれから覚える気がある方はこの限りではありません。上達するのに大切なのは自分の解き方について常に批判的に考え、現状に満足しないことです。手順を覚えることは解法の改善においてもっとも簡単なステップです。

もうひとつ共通認識として持ってほしいのはキューブはより先を読んでより速く回せば速く揃うということです。私は初心者がゆっくり回しという練習法を選ぶことをあまり好んでいません。これはゆっくり回しそのものを否定しているわけではありません。ゆっくり回せば先読みにより意識を向かせることができるし、それによって先読み技術が改善されることもあるかもしれません。私はその答えは知りませんがゆっくり回しにはもっと根本的な問題があります。それは初心者を満足させてしまうことです。キューブを始めたばかりの人にとって先読みというのは非常に難しい技術です。ゆっくり回しはそんな多くの初心者に対して先読みを助け、よりよいタイムを与えることは事実です。しかし、それで終わってはいけません。なんのために先読みが必要なのかをちゃんと考えてください。止まらずにもっと速く回すために先の状況を知る必要があるのです。ゆっくり回しを自分のスタイルとすることがいかにナンセンスであるかわかっていただけたかと思います。もちろんゆっくり回しで練習したいというなら私は否定しません。しかし、その先にはもっと速く回す必要のある段階が待っていることを忘れないでください。

以下、解法はCFOPです。

 

Inspection Time

まずはインスペクションから始めていきます。インスペクションタイムでの第一目標はクロスを読み切ること、第二目標はF2Lを読むこと、最終目標はクロスとF2Lをできるだけ読んで自分の最適解を見つけることです。インスペクションタイムおよびクロスは3x3x3を解く最初のステップでありながらもっとも難しい部分です。

 

クロスの完読み

クロスは最大でも8手以内に揃うことが知られています。まずはどんなスクランブルに対しても8手以内でクロスを作れるようになることが最初の目標になります。クロスで大事なことは一つだけ。様々なパターンを練習を通して学習していくことです。クロスはパターン数もパターンに対する(悪くない)解法もあまりに多く存在するために定式化するのが難しい部分です。そのため練習で慣れるしかないと言われてしまうことが多いです。しかし一人で練習していてもよりよいクロスとは何かを理解するのは非常に困難です。そこでおすすめの練習方法はトップキューバーの解法から学習することです。ここでおすすめのサイトを一つ(CubeSolves)。ここではいろんなキューバーの解法をスクランブル付きでみることができるのでクロスだけでなくいろんなステップについて学ぶことができます。多くの解法や練習を通してクロスがR' FやR' D Rのような小さな動きの集まりでできていることを理解し、8手以内でクロスが作れるようになれば、ひとまずクリアと言えると思います。

 

F2L#1の先読み

これは非常に重要なステップです。一通りキューブが解けるようになったら率先してやるべきことの一つでしょう。では、どうすればF2L#1が読めるでしょうか。私の基本的な読み方についてステップを分けて説明したいと思います。

まず問題を細分化してみましょう。「クロスは読み終わった、F2L#1を読みたい」という状況を仮定します。頭の中でクロスが解き終わった状態を完全に再現してF2Lを考える、というのは少々難しそうです。ではある程度読むF2Lペアに目星をつけておいたらどうでしょうか。一つのペアの動きを読むのならば多少は簡単ですがやってみると意外と難しいのがわかります。それではF2Lペアのさらにコーナーだけを読むのは?これでだいぶ簡単になりました。でもクロスを揃えるときにあんまり移動するパーツは動きを追うのが大変です。それに読んでみるとD面に埋まっているようなコーナーはあとあとF2Lを読むのが大変そうです。そろそろ方針が決まったでしょうか。では書き出してみましょう。

  1. クロスが完成したときにU面にあるF2Lコーナーの位置と向きを読む
  2. 対応するF2Lエッジの位置と向きを読む
  3. F2L#1の完成まで読む

では最初のステップです。コーナーを読むときのコツをいくつか紹介します。

まずはクロスを作る過程でほとんど、あるいは全く移動しないコーナーを読むことです。もともとU面にあるパーツなんかはクロスにあまり干渉されないことがあります。あまり動かないパーツならば簡単に読めると思います。

またクロスの最後の1手でU面に上がってくるコーナーを読むのも比較的簡単です。例えばクロスの最後がR2でDRエッジを揃える場合、DRFとDRBのコーナーがU面に上がってくることがわかります。このようなコーナーも読むのが非常に簡単なケースになります。

位置がわかったら向きも読む必要があるわけですがこの読み方にもコツがあります。それはコーナーのD面色の部分を追いかけることです。あなたがもし白クロスから揃え始めたい場合、目的のF2Lコーナーの白面を追いかけてください。最終的にクロスが揃え終わったときのコーナーの白面の位置を把握できれば最初のステップはクリアになります。このようにコーナーは位置と向きを同時に読むことが可能です。

では次のステップに進みましょう。エッジの読み方はコーナーに比べると少々複雑になります。というのもエッジの向きの定義が少し難しいのです。コーナーではD面色が含まれていたためその位置で向きを考えればよかったのですがF2LエッジにはD面色が存在しません。そこで向きにはEOという概念を使用します。EOというのは、ある向きからキューブをみたときにすべてのエッジに対して向きがあっているか、それとも反転しているかという情報を与えてくれます。簡単に説明するとF面とB面を回すことなくエッジを正しい位置に揃えられたらEOは正しく、揃えることができなかったらEOは反転しているというふうに決められます。EOというのはBLDやFMCでよく扱われる概念ですが通常の3x3x3においても例外ではありません。F2L#1を読むだけでなく、F2Lの先読みやLLの先読みにおいても非常に重要になってきます。EOを正しく読めるようになることでF2Lエッジの先読みは劇的に簡単になるのでぜひマスターしてください。詳しい説明はうえしゅうさんの記事で確認してください。

ではEOについて正しい理解が得られたという前提のもとで説明を再開します。

まずはエッジの位置のみを読みます。これについてはとくにコツはないのでゆっくり落ち着いて位置を追ってください。

問題のEOの読み方ですがこれは非常に単純です。EOはF、F'、B、B'のいずれかの動きによってのみ反転します。したがってクロスを揃える前の初期位置でのEOとクロスを揃える過程で目的のエッジに対して上記の動きが干渉する回数を数えればいいのです。回数が奇数回であれば最初に読んだEOから反転した状態になり、偶数回であれば同様の状態になります。

以上よりエッジの位置とEOの反転の有無を読み終わったらこのステップもクリアになります。

最後に読んだコーナーとエッジの情報を合わせてF2L#1を読みきってみましょう。このステップはF2Lを十分に揃えられることが前提条件となります。うまくできない人はF2Lをもう少し理解してみるといいかもしれません。ここでいう理解というのはIT化についての理解のことです。特殊F2Lと呼ばれるようなものはここでは特に必要ありません。ではまずはIT化の完了まで読んでみましょう。読んだF2Lペアがどんな状況でもR、U、L面の回転のみでIT化を行うことが可能です。このIT化ができるように練習してください。IT化ができたらあとはスロットインだけです。もし読んだエッジのEOが反転していた場合R U' R'みたいな基本手順で揃える場合はここで持ち替えが入ります。

説明がかなり雑になりましたがここはどうしてもF2Lの理解が重要になるところであり説明が難しいのです。今よくわからない人もF2Lができるようになればたいして難しいことではないとわかるはずなので許してね。

 

最適解の探索

クロスもF2Lも読めるようになった人のためにいくつかの改良策をあげておきます。まずは私の普段気をつけていることを列挙します。

  • 入れ替え可能なところは入れ替えてみる
  • Dの代わりにUwにしてEOをコントロールする
  • 異なる揃え方を試す

例えばクロスの最後がR F'の場合F' Rでも揃うことがわかると思います。このような場所を入れ替えてみて簡単なF2Lがないかを探索します。

次にDの代わりにUwを回すとU面のEOは変化しませんがE列のEOが変化します。これを利用してクロス後の持ち替えを減らしたりできないかを考えます。

異なる揃え方を試すというのは、例えばR' F RでDFエッジを揃えるときにL' U2 L F'なども試してみるということです。

以上のような様々な可能性を考えて自分にとっての最適解を見つけることができるようになればひとまずインスペクションタイムの使い方としては上級者であるといえます。結局最適解というのは他人に求めるものではなく自分にとってのものであることが大切です。例えばF2Lを一つしか読めない人と複数読む人では最適解は異なってくるし、F2Lの簡単さよりもクロスの回しやすさが大事だという人もいるでしょう。重要なのはあなたが自信を持ってその解法が自分の最適解だと言えることです。ここで自信を持てないのはあなたが十分にクロスを検討できていないからです。まずは今自分のできる最高のクロスを常に作ることを意識して練習してみてください。

 

F2L

CFOPの最重要項目です。

基本

まずF2Lを始めるにあたり手順の丸暗記は避けるべきです。IT化+スロットインという一連の流れを理解してください。特殊F2Lなどの暗記も悪いことではありませんがまずは普通のF2Lを学ぶべきです。何故ならば、F2Lというのはそもそも1スロットずつ分けて考えるものではないからです。ある状態に対する解を覚えるだけの手順暗記はF2Lが揃えられる状態からより効率的なF2Lへの発展に繋がりません。手順暗記からスムーズに発展させられる人もいるとは思いますができる限り避けるべきです。これは初心者だけの話ではなく10秒前後のある程度速いキューバーにおいてもよく目にすることです。F2Lは間違いなくキューバーの実力が大きく分断されるボーダーラインになっています。よくわからない話になってきましたが、つまるところF2LはCFOPのなかでも工夫の余地がもっともあるステップであり、そこを手順暗記で終わらせてしまうのはもったいないということです。

F2Lでは先読みが大事だということはよく聞くことだと思いますがここでは大きく2つに分けて話したいと思います。論理的先読みと感覚的先読みです。

 

EO

またでてきましたね。F2L#1読みでお話ししましたがF2LにおいてもEOは重要です。これは論理的先読みに分類されます。なぜEOが大切なのか。それはF2Lを大きく特徴づけるのはエッジだからです。キューブを解くときは基本的に回しやすい手順を使いたいという前提があります。多くの人にとって回しやすいことの基準はRUL回転であるかどうかです。そしてF2LがRULで揃えられるかどうかはEOにのみ依存します。コーナーはどんな状況でもRULのみで揃えることができるためです。したがってあるF2LがRU系手順やLU系手順で揃えられるかどうかはEOから判断できるのです。

しかし、これまでEOなんて気にしたことないけどF2LがRUで揃えられるかどうか迷ったことなんてないと感じている人もいるかと思います。F2Lをひとつ揃えるだけならEOは大した問題ではありません。EOが重要になるのは先読みするときです。残りのF2Lが2つのとき、そのF2Lが持ち替えすることなく2-genで解けるかどうかであったり、インスペクションでクロスとF2L#1を読んだ後に、他に持ち替えずに解けるF2Lがあるか調べるときに私はEOをチェックしています。他にもF2L手順の途中でEOをコントロールして残りのF2Lの持ち替えを減らしたりもできます。例えば例1の左側はRUのみで解けることがEOからわかります。反対に右側は赤緑エッジが反転しているためRUのみでは解けません。

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例 1

例2では赤緑エッジが反転していますが赤青ペアをスレッジハンマーで揃えることで残りをRUで揃えることが可能になります(R' F R F' U' R' U R)。

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例 2

このようにEOを把握できれば論理的に次のF2Lやもっと先のF2Lを予測することが可能になります。

 

イメージ

F2Lにはもう一つ感覚的先読みというものもあります。ふんわりしてしまいましたが多くの人が共感できるところがあると思います。以前は覚えたPLLをがんばって思い出していたけど今は手が勝手に動くというのと同じようなことです。感覚的というくらいなので非常に説明しづらいのですがF2Lにおいてもっとも大きな差が生まれる部分であると私は考えています。F2Lを感覚的に解けるレベルに関して個人間での差が非常に大きいと感じるからです。

感覚的先読みとは先ほどの例 1の右側において赤緑ペアをR' U2 R2 U R'と揃えたときに赤青ペアが同時にIT化されることが分かることです。ここで重要なのが「イメージ」です。なんかこう回したらああなりそうな気がする、というイメージの範囲をどれだけ広く持てるかがF2Lの先読みの速さ、深さを大きく決めます。ではどのようにすればこの能力をのばすことができるでしょうか。私が実際にキューブをやってきて得られた答えは「練習中に絶えず思考すること」、「キューブを頭の中で回すこと」です。

記事の冒頭で考えることは大事であると述べましたが、それは単にいろんな発見ができるだけでなく、直接的にあなたの先読みスキルを伸ばすことにも繋がります。考えるのは簡単なことで構いません。このパターン見たことあるな、この形になるとやっかいだな、こう回すとあそこ崩れちゃうな、など些細なことに感想を持つだけでいいのです。この思考の反復により特定のパターンがだんだんなにかしらのイメージとともに記憶されてくると思います。これが感覚的先読み習得の最初のステップです。

次に頭の中にできたイメージに対して頭の中でキューブを回してみていろんな解き方を考えてみましょう。実際にキューブ回せばよくない?という感じもしますが頭の中でキューブを回すことは確かに効果を持っていると感じることがあります。まず頭の中でキューブを回すにはパーツ一つ一つの動きをきちんと追う必要があります。実際にキューブを動かすよりももっと、1手1手の動き、パーツの移動を考えるようになります。このことがキューブの動きの理解へと繋がると思います。また頭の中でキューブを回せるようになると未知の状況に出会ったときでも瞬時に回した後の状況をイメージできるようになってきます。これは明らかに先読みをレベルアップさせていることがわかります。

キューブの状態にイメージを持つこと、そして得られたイメージに対して頭の中で解を得ること。これが私なりの感覚的先読みの習得方法です。真似するなりアレンジするなりして自分だけの練習方法を見つけてみてください。

 

Finger Tricks

最後の項目になります。これまでは概念に関する解説が中心でしたがここでは技術的な話をします。ここまでが先読みのための話とすればここからは速く回すための話になります。

スピードキューブは立体パズルでありながらスポーツ的要素を含んでいます。その最たる部分がフィンガートリックです。特にフィンガートリックの紹介はしませんができる限り多様な指使いを習得することを目指してください。キューブを速く回せないという声をよく聞きます。もちろん人によって限界はありますが、多くの場合問題は指の遅さよりも指使いの少なさです。手順間で手が止まりすぎなのです。F2Lの間どころかPLL手順、OLL手順の途中ですら止まることがある人は圧倒的に指使いが足りていません。まずは手順の動画を検索して指使いを真似てみてください。2018年現在のおすすめはCubeSkillsです。WR保持者のFeliks ZemdegsがすべてのLL手順を動画つきで紹介しています。まずはその動画に出てくる指使いはすべて習得することを目指してください。それ以外にもいろんなキューバーのビデオをみてたくさんの指使いを真似てください。フィンガートリックの習得は努力なしには達成できません。解いているときに止まると感じるところを覚えておいたり、動画を撮ったりして自分の苦手な指使いを探して改善してください。指使いが増えていくについれてTPSが上がっていくことがわかるはずです。

 

おまけ

今回の記事で書いたことを中心に実際のソルブ例を通して復習していきたいと思います。Hさんに協力していただきました。Hさんの実際の解法をもとに解説していきます。なお以下すべて青クロスです。

solve 1 

youtu.be

scramble: L D R D F' L2 D L2 B' R B2 R2 U' B2 D' B2 D L2 D2 F2

x U L F' D' R' F D2 // Cross
U' R' U2 R U y L U L' // F2L#1
U2 R U2 R' U2 L' U' L // F2L#2
R' U2 R U' R' U R // F2L#3
U2 R' F R F' U R U' R' // F2L#4

まずクロスについてですが回しやすくかなり良いと思います。F2L#1についてクロスの最後のFによってU面にあがる青橙黄コーナーを読めていたのであればF2L#1読みとしても良いと思います。欲をいうなら先に持ち替えて2-genで処理できるとさらによかったかもしれないです。次にF2L#2についてですがこれは改善の余地があると思います。F2L#1をのスロットインではy L U L'としていますがF2L#2と合わせてL U' L2 U' L2 U' L'というふうに処理できるとよかったと思います。

 

solve 2

youtu.be

scramble: R2 B D2 L2 B U2 L2 B F L2 D2 R B D2 U B2 D F D2 U2

x y F R' D' L' D' U R' // Cross
U' R U' R' U2 y' R' U' R // F2L#1
U y' U' R' U R U R' U R U' R' U R // F2L#2
U L' U' L U F U' F' // F2L#3
R U' R' U R U2 R' U R U' R' // F2L#4

明らかにクロスの最後から2手目のUで赤白のペアをU面に出しており、F2L#1を読めていることがわかります。これは非常によい処理であると思います。この例だとUを挟まなかった場合似たような形で赤黄ペアが出てくるうえに赤黄ペアを揃えると赤白ペアがU面に出てくるためそちらを採用してもよかったかもしれません(x y F R' D' L' D' R' y L' U L U' L U L')。これは好みの問題だと思います。私がこの解法で特に良いと思ったのはF2L#3の処理です。これはIT化した後持ち替えることも考えられますがここではF U' F'で処理しています。最後のF2LはRFスロットにあったほうが圧倒的に回しやすいです。きちんとF2Lが読めているからこそできる処理だと思います。

 

solve 3

youtu.be

scramble: L2 U2 L2 D R2 F2 R2 D U2 R D R2 F' L' D F' D L2 R B'

x y' R D x r' F L' U' L D // Cross
L' U L // F2L#1
U2 R' U2 R U2 l U L' U' M' // F2L#2
U R' U2 R U2 R' U R // F2L#3
U' R U' R' U2 R U' R' // F2L#4

これはインスペクションでかなりいろいろ考えられるスクランブルでした。ここで考えられるのは橙白ペアの保存、赤黄および橙黄でのXクロスあたりでしょうか。まず橙白ペアの保存について今回はもっと良い処理が考えられます。クロスの3手目と4手目を入れ替えてみましょう(x y' R D F L' D)。これだけで橙白ペアが保存できることがわかります。次に簡単そうな赤黄Xクロスを考えてみましょう。前述したクロスでコーナーは揃っていることがわかります。そこでクロスの前にさらに1手U2を加えてみたいと思います(x y' U2 R D F L' D)。これでXクロス+F2Lペア保存を達成できました。他にもこんなアイデアがあります。さっきのクロスでは橙黄のエッジも揃っていることと対応するコーナーが赤黄青コーナーの位置に埋まっていることから次のようなクロスも考えられます。

x y' R D F R' U2 R L' U2 L' U L D

こんなふうにいろんな解が考えられるわけです。先読みの深さがより深くなるにつれて最適解がどんどん変わることがわかるかと思います。

あとひとつだけx y' R D F L' Dで揃えたときやHさんの解法でF2L#2を処理した後にF2LエッジのEOがすべて揃っています。このこともできるだけ早く把握できるとより効率的な処理や先読みができると思います。

 

solve4

youtu.be

scramble: L' R' B2 L2 D2 U2 L F2 U R2 B' F L' D2 L' F2 U F D2

x y' D' R D' L D' F' // Cross
L' U L2 U' L' // F2L#1
U' R U' R' y' L U L' U L U' L' // F2L#2
U2 R U R' U2 y R U R' U R U' R' // F2L#3
U' L' U L // F2L#4

こちらも最初の2手でできる赤白ペアをうまく処理することができています。Xクロスにしたければx y' R' D2 L D' F' U2 L2などが考えられます。これは自分にとっての回しやすさなどから選択すればよいと思います。まったくの別解としてはx y D' L R' F R2 U' R' D' R D'などが思いつきました。特にこのクロスはインスペクションF2L#2、#3を読むのも簡単な部類でした。

 

solve5

youtu.be

scramble: B2 D2 R2 D2 L2 D F2 R2 U R B' F2 R2 B L B D' R2 D' U2

x y2 D U R' F D' r' U r // Cross
L' U' L U2 L' U' L // F2L#1
U' R' F R F' R U' R' // F2L#2
U' L U' L' U' L U' L' U L U' L' // F2L#3
U' U2 R' U2 R U R' U' R // F2L#4

これもXクロスのアイデアをひとつ。クロスの4手目の後にU R U' R'をいれることで赤白Xクロスを作ることができます。

このソルブでは最初のF2L2つをF面側に作ったことで残りのF2Lを読みにくくなってしまったことが気になりました。今回はあまり問題なく処理できていますがF2L#4で無駄なAUFがはいってしまっています。やはりできる限りF2LをB面側に作れるように読んでいくとよかったと思います。

 

本当は自分も動画撮ろうと思ってたけどめんどくさくなった。すまにょ。

 

あとがき

お疲れ様でした。私はあまり初心者指導の経験もないためキューブの解説は得意ではありません。しかしながら私にも初心者の時期はあったわけで、今回の記事では私がキューブを始めてから日々考えてきたことをありのままに書いたつもりです。キューブはただ解くだけでも楽しいものですが、もっと自分で考えて、解法の改善や新たな発見があったなら、より刺激的で面白いものになるはずです。車輪の再発明でもかまいません。理解の伴わない丸暗記よりよっぽどマシです。みなさんに考えることの楽しさが伝われば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

3×3について

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2016の記事として書かせていただきました。

この記事ではいかに工夫して3×3のタイムを縮めるかについて書いていきます。役に立ちそうだと感じたところはぜひ参考にしてください。対象とするタイム帯はとくに指定していません。自分にはまだまだできそうにないとか言わず面白そうだと思ったらやってみてください。キューブは楽しんでやりましょう。

Cross

F2Lをインスペクションタイムのうちに読む

ここではインスペクションタイムでcrossのみ読んでいる人を対象としているのでF2L読みなんか楽勝じゃ〜という方は読み飛ばしてもらってもかまいません。今回の記事はインスペクションでF2Lが読めることを前提としたところも含まれているので最初に触れておきます。

まず、Twitterでとったアンケートの結果をご覧ください。

 一つ目のアンケートで確認したかったのは短時間でクロスを頭の中でイメージできるかだったのですが、これに関しては87%の人が5秒程度あればできると答えています。クロスエッジを確認するのにはたかだか2~3秒しかかからないでしょうからインスペクションで実際に使える時間を12秒として4~5秒は余裕があるということになります。

その一方で二つ目のアンケートでは52%もの人がインスペクションでF2Lを読んでいないと答えています。毎回読めている人は位置だけという人を含めても18%です。

クロスを頭でイメージできる状態でF2Lを読むことはそこまで難しいことではありません。そこでここでは多少F2Lが読みやすくなるかもしれないアドバイスをひとつしたいと思います。

クロスにおいてセンター合わせを除き最後の動きは必ずクロス面を下とすると側面(R L F B)を回します(クロスskipは除く)。ここで注目して欲しいのは最後の動きでU面に上がってくるパーツです。例えばRでクロスが完了するならばDRFのコーナーとRFのエッジです。次の画像(Rで白クロスが揃う状態)でいう青白赤コーナーと青橙エッジのことです。

f:id:Asato1472:20161204230913j:plain

 例えばここで青白赤コーナーがU面に上がってくることを読めていればあとは赤青エッジを探すだけでF2Lは読めるということになります。まずはクロスのラスト1手でU面に上がるF2Lパーツがあればそのペアをインスペクション中に探せるようになることを目標にしてください。これだけで4分の3のsolveでF2Lが読めるようになります(どちらもF2Lパーツでない確率は25%)。ちなみに練習においてインスペクションを計ることはおすすめしません。初めはとにかくインスペクション無制限でF2Lを読めるまでやってみてください。そのうち必ず手順や思考が効率化されて短時間でできるようになります。F2Lをインスペクションで読むとそのスロットを後ろにすれば残りのパーツをすべて見ることができるためその後の先読みも上手くいきやすいと思います。ぜひ挑戦してみてください。

 

XCross

crossにおけるsubstepといえばやはりxcross(the extended cross) でしょう。xcrossとは名前の通り拡張されたcrossのことで、crossと同時にF2Lをひとつ揃えることをいいます。2×2×1などのブロックができている場合は難しくないですが、それ以外の状況でもxcrossが使えれば大きなアドバンテージになることは間違いありません。ここではxcrossにおける簡単なパターンを解説したいと思います。型の名前に関しては私が適当につけただけなので無視して構いません。(以下の画像は全て白クロスです)

 

Keyhole型

まずはkeyhole型からです。crossを揃えた時点でD面のコーナーあるいは中段のエッジが揃っている時にそのペアとなるエッジやコーナーをkeyhole F2Lの要領で揃えます。

ex1)

f:id:Asato1472:20161201005333j:plain R U' R' D'

ex2)

f:id:Asato1472:20161201005342j:plain R' U' R D'

 

一応実戦的な例を挙げておきます(後述のexample solvesの3個目です)。

Scramble: F2 R U2 L' D2 B2 D2 L' R' B2 L2 D' R' D2 F2 U' B F U2 B2 L'

cross: x y' R2 D2 F' D L'

ここでDRFのコーナーが揃っているので対応するエッジをkeyholeで揃えてcrossを完成させます。

keyhole: L U' L' D2

キャンセルも考慮して書き下すと

xcross: x y' R2 D2 F' D U' L' D2

となります。

 

 F2Lキャンセル型

次はF2Lキャンセル型です。簡単に言ってしまえばcrossを終えてF2Lの1st pairを揃える際に生じるキャンセルをインスペクションの時点で読み切るということです。代表的な例は以下です。

ex1)

f:id:Asato1472:20161201005347j:plain R2 R U R' → R' U R'

ex2)

f:id:Asato1472:20161201005457j:plain R2 R U' R' → R' U' R'

 

セパレート型

次はセパレート型です。連想しづらい名前になってしまいましたが要するにcrossエッジとコーナーのペア、そのコーナーに対応するエッジとセンターのペアを別々に作り最後にくっつけてxcross完成というパターンです。わかりにくい説明となってしまったので例をみて納得してもらえればと思います。

ex1)

f:id:Asato1472:20161201032034j:plain U2 R2

ex2)

f:id:Asato1472:20161201032037j:plain R' F R

 

F2L先処理型

このパターンではF2Lを先に処理しその後に残ったcrossエッジを揃えます。

ex1)

f:id:Asato1472:20161201041257j:plain R' F R

ex2)

f:id:Asato1472:20161201041305j:plain R' F2 R

ex3)

f:id:Asato1472:20161201042426g:plain R B' R'

 

実戦的な例としてFeliks Zemdegsのソルブを載せておきます。

Scramble: R D R F2 B D2 F2 L' D R2 U2 F2 D2 B2 R' F2 L2 B2 R D2

partial cross: x F' R2 F R U' D

F2L#1: R U R2 U' R

xcross: U' F2

 

xcrossに関しては以上です。実際にはこれらのパターンの線引きも曖昧であり、どれにも分類しづらいようなものも存在します。この記事をよんでできるようになってほしいことはxcrossを分類することではなく、こんなアイデアもあるんだということを知り実際のソルブで使えるようになることです。keyhole型なんかは簡単かつよくみるxcrossですので使っていなかった人は初めはゴリ押しでもいいので試してみてください。この記事の最後にexample solvesを載せておくので実践的な例を見たい人はぜひご覧ください。4個目なんかは完全にバラバラの状態からのxcrossなのでこんなんもあるんだ〜ぐらいで見てみてください。

 

Cross後のセンター合わせについて

crossを揃えた後次のようにセンターがずれた状態になることがあると思います。

f:id:Asato1472:20161201051132g:plain

この場合だとセンターを合わせる方法としてDとUwがあります。これに関してはどちらか一方しか使わないという人もいるかと思いますが私は状況により使い分けることをおすすめします。何に応じて使い分けるかですがそれはF2Lの1つ目です。

(1)f:id:Asato1472:20161201052157g:plain

(2)f:id:Asato1472:20161201052202g:plain

(1)ではD R U' R'かUw F U' F'で、(2)ではD F' U FかUw L' U Lで解くことができます。このときどのように解くのが効率的でしょうか。

私は多くの場合(1)ではD R U' R'を、(2)ではUw L' U Lを選択します。理由は単純でFやBに比べRやLが回しやすいからです。実際(1)でUwした場合多くの人はRUで解くためy'で持ち替えるのではないでしょうか。speed cubingにおいて持ち替えはキューブが止まる時間であるため絶対に減らすべき要素です。したがってこの場合は上記のような選択が個人的には正しいと思います。

もちろん回しやすさは万人共通ではありませんし、F2Lの2つ目が持ち替えなしでスムーズに揃えられることが読めている場合などはこの限りではありません。大事なのは一見同じ効果をもたらす動きに対してもその微妙な差異に注意を払いベターな選択ができることです。そのような例としてF2LのRU'R'とURU2R'(F2Lの章で扱います)やcrossエッジの揃える順番(example solvesの9個目)などがあります。

 

F2L

先読み

先読みはF2Lの基礎です。先読みができないことには始まりません。ところがどっこい、先読みはいつまでたっても完成しない部分でもあります。私自身今でも一番伸び続けているのはF2Lの先読みです。経験則による部分が大きくこれを読んですぐ伸びるというものではないのですが、皆さんのひとつの指針となればと思い2つほどアドバイスを書いておきます。

まずF2Lは無意識に回せることです。よく先読みのポイントとして「揃えているパーツを見ない」というのを目にしますが、ここで勘違いしてほしくないのは見なけりゃいいというもんではないということです。もし揃えているパーツは見てはいないけど頭の中はそのパーツでいっぱいという状況では目をつぶって揃えているのと大して変わりません。できるだけF2Lを揃えることに頭を使わないようになることが大事です。どうすればできるかですが、F2Lを頭の中で回してみたり、こう動かすとコーナーの向きがこう変わるなとかエッジがここに移動するなということに気をつけたりしてキューブの動きを感覚的に捉えられるようになることが大事ではないかと思います。このできるまでの過程は十人十色ではあるとは思うのですが私の場合はキューブをしていない時に頭の中でキューブを回していたことが役に立っているような気がします。これは参考程度で構いませんがなんにせよF2Lを手順で暗記するのは(特殊なものを除き)ご法度でどういう動きで完成しているかをちゃんと追いましょう。日頃の練習でそいういことに気をつけていればできるようになるはずです。

次に見えていないパーツを消去法で予想するということです。先読みでよく言われるのが透視なのですが私はあまりこの考え方は好きではありません。コーナーは2面見えていれば確定するというものですがどうすれば素早くこれを判断できるか悩んでいるキューバーをよく見ます。それに関しては2面に対して残りの面が何かを覚えそれがノータイムで答えられるまで頑張るしかありません。それをするくらいなら覗き見た方が楽ですしキューブの練習量も増えます。そこでおすすめしたいのが消去法です。つまり、今までに見たり揃えたパーツから見えていない残りのパーツを予想するというものです。例えば白クロスだとしてオレンジ青のペアを揃えたあとならばオレンジと白を見つけた時点でそれがオレンジ白緑と確定します。この方法ならば判断で時間はかかりませんし今すぐ使えると思います。まずはこれで先読みをしてみるのがいいと私は思います。透視は速くなるのに絶対に必要なテクニックではありません。できないならまずは気にせずやってみることです。これってあのコーナーかな→覗き見る→あ、合ってたとかを繰り返していけばそのうち使えるようになるかもしれません。それくらいの心持ちでいいと思います。

 

F2Lを二つ同時に解く

ここでは私の使っているF2Lを2つ同時進行で処理していくものを紹介します。F2LにおいてR U L系の回転がEOに影響を与えない(逆に言えばFなどをはさめば影響を与えられる)ことやsledgehammer(R'FRF')、RUR'、RU'R'などの動きになれているとわかりやすくなると思います。よくわからないものは実際に回してみてください。この手順を覚えることは発生する確率から考えてあまり意味はないと思いますが、これを機にF2Lの解き方により注意を払ってもらえればと思います。

f:id:Asato1472:20161207170030j:plain R' F R F' U' R' U R
f:id:Asato1472:20161207170032j:plain y U R' F R U' F'
f:id:Asato1472:20161207170033j:plain R U2 R2 U' R
f:id:Asato1472:20161207204202j:plain R U' R' U2 R' U R
f:id:Asato1472:20161207170034j:plain R' F R F' R' U' R
f:id:Asato1472:20161207170035j:plain R' U F R F'
f:id:Asato1472:20161207170036j:plain R' U2 R U2 R' U R2 U R'
f:id:Asato1472:20161207171730j:plain U R U2 R' U y R U' R'

エッジコントロール

続いてエッジコントロールについてです。エッジコントロールとはF2Lの揃え方を工夫することでLLのEOも同時に一部または全部完了してしまおうというアイデアです。簡単なものにはsledgehammerによるdot OLLの回避などがあります。

f:id:Asato1472:20161207190734j:plain R' F R F'(sledgehammer)
f:id:Asato1472:20161207190738j:plain U2 R U' R' U' F' U' F
f:id:Asato1472:20161207190740j:plain U' R U R' U F' U' F
f:id:Asato1472:20161207190744j:plain U2 R U R' F R' F' R
f:id:Asato1472:20161207190748j:plain U2 R U R' U' F' U F

 

多くのF2LではIT化というステップを踏んで揃えられます。IT化とは2種類の3手F2Lの形に持ち込むことなのですがそのどちらに帰着させるかによってエッジコントロールの仕方を少し変えるとF2Lの手数を減らせます。

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これらはどちらも普通に揃えるとdot OLLとなるのでできれば回避したいところです。ここでIの方(左)はR' F R F'で回避することができ普通の手順U R U' R'と同じ4手です。一方でTの方(右)は普通はR U R'と揃えるのに対しdot OLLを回避するにはR U' R' U2 R' F R F'と8手になってしまいます。そこでTに帰着する際はIT化の段階でエッジコントロールをすることが望ましいということです。

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例えばこのケースだとU R U' R' U'とIT化するよりもF' U F U'とIT化する方が手数が短く済みます。Fが苦手な場合はどちらも試してみて速い方を使えばいいですが、この状態からy'されている時などはR' U R yとIT化する方がy U R U' R' U'より明らかに速いことがわかるかと思います。エッジコントロールを使えばこの先LLにおけるCOLLやZBLLといった発展的なsubstepを使いやすくなるのでぜひ挑戦してみてください。

LL

OLLにおけるCP判断

最近だんだん増えてきている(気がする)substepにOLLCPというものがあります。OLLを揃えると同時にCPも完了するというものなのですが手順数は331と膨大です。そもそもOLLCPのメリットとはなんなのか挙げてみます。

  • PLLが比較的回しやすいEPLLのみになる
  • EPLLのみと限られている(skip含め5種類)ので判断が容易
  • PLLskip率が上がる

一方でOLLCP自体の判断に時間がかかるというデメリットがあります。そこで少し見方を変えてOLLでCPを判断することを考えてみます。要するにOLLを回す時点でコーナーが無交換、隣接交換、対角交換のいずれになるかを判断するということです。この場合skip率に変化はありませんが次のようなメリットがあります。

  • 覚える手順は各OLLにつき一つでいいので新たに覚える手順はなし
  • PLLは限られる(無交換なら5、隣接交換なら12、対角交換なら5)ので判断は容易
  • CPはOLLを回しながら考えることができるので判断時間はほとんど0

では具体的にどうすればOLLでCPが判断できるのでしょうか。OLL一つにつき何個も判断覚えてたらあんまり変わらないんじゃないかと思う人もいるかとは思いますが、実はCP判断で覚えるべき判断基準は1つか2つです。その覚えるべき判断基準とは自分の使っているOLLを回すとコーナーが無交換となるときのOLLにおけるコーナーの状態です。わかりにくくなりましたが例えばPi caseでいうとこういうことです。

R U2 R2 U' R2 U' R2 U2 Rならば右側のコーナー2つの色が同じだとCPskip

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少し考えてみるとわかるのですがあるOLLに対し手順Aを回してCPが揃うコーナー状態は1種類です。また、対角交換となるものも1種類です。これは無交換も対角交換もU回転に対し各方向同じ(UしてもU'してもU2しても同じ)なので当然です。逆に隣接交換はU回転すると揃ったコーナーのペアが移動するのがわかると思います。以上のことからCPが揃う場合だけ覚えておけばそれとコーナー状態が正反対のとき対角交換、それ以外は全て隣接交換となります。ではコーナー状態が正反対のときどうやって判断するかですがこれはそこまで難しくありません。無交換となる場合と比較して「色が同じところが対面色になる」、「対面色だったところが同じ色になる」ということを知っていればわかります。下に具体例を書いておくので見てみてください。

さっきのPi caseの手順を回すと対角交換になるパターン

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 同色だった右側の2コーナーが対面色、対面色だった左側の2コーナーが同色になってます。

よくわからない人はコーナーが無交換や対角交換の状態からOLLを逆回ししてみてじっくり観察してみてください。sune antisune L caseはちょっと難しいのであとまわしでいいと思います。説明がかなり面倒くさくて雑になりましたが頑張ってください。わかりづらい人はコメント、twitter、大会なんでもいいので聞いてくれれば答えるかもしれません。

PLLの2側面判断

とは書いてみましたが、私はあまりこれに過敏になるのはよくないと考えています。PLLが2側面で判断できるというのが正しいのは間違いありませんがそのためにPLLの各面で判断基準をつくったり似たPLLをならべてどっちがVpermでしょうとかやったりするのはあまりおすすめしません。今2側面判断ができないことを心配しているキューバーの方がいるとすれば一旦そのことは忘れてひたすら練習することです。PLLの2側面判断が大事でないと言っているわけではありませんし、実際、ある程度速いキューバーならば2側面判断はできると思います。2側面判断がうるさく言われるのはある水準以上のキューバーは当然のようにできるからこそでしょう。しかし、そのキューバー達の中で2側面判断のためだけに力を注いで練習したという人は少ないのではないかと思います(あくまでも予想です)。おそらく多くの人が自然とできるようになった答えると思います。そのように自然と判断できるということに対し、判断基準をつくって対抗するというのはあまり賢明ではないでしょう。これじゃいつまでたっても2側面判断できないかもしれないじゃんと思う人もいると思うのでアドバイスを書いておきます。

  • まずOLLを回す最中に見えるパーツに気をつける。とくにラストの1手でB面が見える時なんかはわかりやすいと思います(Rwで終わる時とか)。
  • OLLで保存されるペアを意識する。Rw' U2 R U R' U RwのULエッジとULFコーナーとか。このOLLはほかにも2つペア保存されるしラストRwなので判断しやすいと思います。
  • 前述のOLLでのCP判断

などなど、慣れ以外にもいろいろ工夫してPLLを絞っていけば2側面の情報だけでも判断できるようになってくるんじゃないでしょうか。慣れるにしても2側面を見てあれかなー、あ、あれだーというふうに練習で意識しましょう。判断できなければUしまくればいいのです。気になるものがあれば解いた後に復習してください。PLLの2側面判断やF2Lの先読みは一朝一夕でできるものではありません。どうすればいいかわからないという人はとりあえずこの記事を参考にして意識した練習をしてみてください。

 

example solves

うだうだ書かれてもさっぱりわからん!という人のためにexample solvesを撮りました。動画で見れば気づくこともあるかと思います。いろんなパターンが見れるようにクロス色は2つに絞っています(青緑)。下にスクランブルと一部crossの解法を載せておくのでご活用ください。(LLの部分を書く前に撮ったのでLLスルーですごめんなさい)


example solves(blue&green cross)

1. U2 B2 F L2 B R2 U2 L2 D2 U2 B2 D' L' D' R' U2 R2 U' F U' F' 

xcross: x’ D’ L F2 R’ D2 L D’ 

2. U' L2 R2 U R2 B2 U B2 D' L2 U' L' F2 L' F' L2 R2 U' F' L D 

 

3. F2 R U2 L' D2 B2 D2 L' R' B2 L2 D' R' D2 F2 U' B F U2 B2 L' 

xcross: x y’ R2 D2 F’ D U’ L’ D2

4. D' B' R' D' L2 F U2 R U L2 D2 F2 L2 B U2 B' U2 B D2 B' 

xcross: x’ y’ F’ L Uw R U’ F’ R D

5. R2 D2 R' B2 L' U2 B2 D2 L' D2 R2 F' U' L' R B2 U' L2 U' F 

w-xcross: x’ R F R2 Uw’ L y U R’ U R U’ R’ U’ R D2

6. R2 U L' F2 U2 F' R' U D L F2 L2 D2 F' R2 D2 B L2 F' U2 B' 

 

7. D2 L2 U' B2 D R2 B2 D2 U' L2 U' B' L2 R D' R2 B2 L F L' R' 

 

8. L2 R2 D2 B2 U2 F' U2 L2 B D2 B L' U L2 B U2 B F' R2 B2 U 

 

9. U D' L2 U F' L D' R B L F2 U L2 F2 U2 B2 U2 D' R2 L2 F2 

cross + first pair: x y F R’ F U Rw’ U Rw

10. R' B R' U2 F2 R U' L2 B U R2 L2 U' L2 B2 U2 F2 D' B2 L2 

xcross: x y D F R2 B’ R’ y’ L U L’ D’

 

まとめ 

この記事でいろんなことを書きましたがこれを通して伝えたいことというのを書いていきたいと思います。一言でいうとsub10程度であれば特別な手順を覚える必要はありません。皆さんがOLLやPLLという基本的な手順を覚えているならば、あとはそのなかで工夫したり判断時間を減らすだけでかなりのタイムを縮めることができます。今回はそんなときに役立つようなことを中心に書いたつもりです。そのためこの記事では新たに手順を覚えるようなパートは入れていません。慣れでできるようになれと言ってしまえば簡単なのですがそんなこと言われても皆さんの役には立たないでしょう。この記事を指針として、この記事で書かれたことを意識して練習すれば新たに得ることもあるかと思います。そんな気づきを大事にしてください。そういった気づきは意識した練習なしには生まれません。上級者のいう自然にできたとはこういう意識あってのことです。この記事がなにをすればもっと速くなるのかわからないという人の指針となれば幸いです。あとキューブを解く以外でおすすめの練習法は世界のトップキューバーのソルブ解析です。CubeSolvesというサイトではいろんなキューバーのソルブの解析が見れますし、youtubeには世界中のキューバーがソルブ動画を投稿しています。特にexample solvesやwalkthrough solvesという名前の動画では投稿者がなぜそう解くかなどについて解説しながらソルブしてくれています。もちろんほとんどが英語ですがキューブに関することなので出てくる単語も限られていますし、もしわからなくてもキューブの状態だけ追っていればなんとなくわかると思います。私もFeliksの3x3 example solvesは何度も繰り返し見ました。エッジコントロールを学んだのもこの動画の2個目からです。トップキューバーのソルブを見たら「すごい!こんなのできない!」ではなく「すごい!自分もやってみよう!」と思うようにしましょう。案外こういう意識の差が成長の違いを生んでいるかもしれませんからね。

ところで、初めてキューブに関する記事を書いたのですが自分が考えていることを文章化することの難しさを痛感しました。そして思ったこと

みんな大会に出よう

なんともタイミングのいいことに来年2017年の1月14,15日にtribox Open Winter 2017が開催されます。本大会では初参加者にジャッジが割り振られることがないので安心して競技に臨むことができますし、レクチャー、質問ブース等も充実しています。特設サイトで書かれているようにまさに「日本一初参加者にやさしい大会」だと思います。やはり文章や動画で伝えられる情報というのは制限がありますし一方通行になりがちです。実際に対面して質問することであなたのくせに合わせたアドバイスが受けられるでしょう。もちろん最近は一昔前に比べるとどの地域も盛んに活動していますから近くの地域で開かれている定例会に参加するのもいいと思いますが、大会への参加はモチベーション向上にもつながりますし、トップキューバーのソルブを生で見られるチャンスですからおすすめです。参加締め切りは12/31なのでお早めに。